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専門グループ
代表的な疾患
外反母趾
足の親ゆび(母趾)が外側に曲がった変形(外反)を示す病態を外反母趾と呼びます。典型的な症状は、外反母趾に伴ってゆびの付根内側が突出し、その部分が靴にあたって痛みを生じます。治療としては、変形が軽度の場合は足趾の体操や装具を使用し、変形の進行を抑えます。 変形が進行し、痛みを伴う場合には手術療法を検討します。当院では小さな切開で侵襲が少ない手術(DLMO法)を中心に、患者さんに適した手術法を選択して行っています。


変形性足関節症
骨と骨が連結する「関節」は、表面が軟骨でおおわれています。軟骨がすり減っている状態を変形性関節症といい、足関節に発症した場合は変形性足関節症となります。外傷や関節炎によって発症することもありますが、明らかな原因がなく発症することもあります。治療は、まず保存療法(薬物療法・装具療法)を行い、症状の改善を目指します。それでも改善しない場合には、手術を検討します。手術は関節症の進行に応じて、初期では足関節鏡で関節内を掃除したり(鏡視下滑膜切除・鏡視下デブリドマン)、進行期では足関節の変形矯正(脛骨骨切り術)を行います。また、末期の症例に対しては、鏡視下足関節固定術や人工足関節置換術を行っています。患者さんに最適な治療法を選択し、症状の改善を目指します。


足関節外側靱帯損傷
足関節捻挫の代表的な靭帯損傷で、初期治療が非常に重要です。適切な治療を受ければ、ほとんどの場合は良好に治癒します。しかし、十分な治療を受けずに放置すると、繰り返し捻挫したり、陳旧性に移行し日常生活やスポーツ活動に支障を来してしまいます。また関節内の軟骨を損傷してしまうことも少なくありません。最終的には変形性足関節症まで至り、歩くのも困難になることがあります。
当院では陳旧性に移行し不安定性や疼痛が強い場合は鏡視下足関節外側靱帯修復術を行っています。術後は約2か月でスポーツ復帰可能です。

距骨骨軟骨損傷
足関節内の関節軟骨と軟骨下骨が剥がれ落ちてしまう疾患です。完全に剥がれると関節内遊離体(関節鼠)となり、痛みや可動域制限の原因となります。多くの場合は、足関節捻挫後に疼痛が持続して発見されますが、単純X線では明確に診断できないことがあり、MRIや関節鏡を用いた精密検査が必要となる場合があります。特に関節鏡を使用することで、ようやく診断が確定するケースもあります。治療は、画像診断と関節鏡を駆使し、病期に応じた適切な治療を行うことで、良好な治療成績が得られています。

成人期扁平足
つちふまずがなくなったものを扁平足といいます。小児期からの場合は、問題はありませんが、中年以降では、内くるぶし周辺の腫れと痛みで発症します。初期には扁平化は目立ちませんが、進行するにつれ、足が硬くなって歩行に支障をきたします。症状の中心は「痛み」であり、つま先立ち、歩行でさらに悪化します。変形の程度によって、痛みの部位も変わります。進行すると、外くるぶしや足の裏にも 痛みがあらわれるようになります。治療は、まず保存療法を行い、症状の改善を目指します。それでも改善しない場合には、手術を検討します。保存療法としては、薬物療法、装具療法(インソール)、運動療法を実施します。重症の場合には、骨・関節手術や腱移行術を行うことがあります。