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代表的な疾患

骨盤骨折

骨盤の環状構造が破綻する骨盤輪骨折と、股関節の関節面を形成する寛骨臼が骨折する寛骨臼骨折に分けられます。多くは交通事故のような大きな外力損傷によって生じますが、近年高齢化とともに骨粗鬆症に起因した骨盤骨折も増加傾向にあります。
骨盤輪骨折では急性期に骨折部周囲の血管や膀胱、直腸、尿道などの骨盤内臓器損傷に対しても治療が必要となり、他科と連携をとって骨折治療にあたります。
寛骨臼骨折では、整復が不十分で関節面の不適合性を残せば変形性股関節症から疼痛や可動域制限をきたし、将来的に人工股関節置換術が必要となることがあります。

骨盤骨折手術前
手術前
骨盤骨折手術後
手術後

開放骨折

骨折した際に皮膚が破れて骨が外に露出する状態です。正常な皮膚は外界の雑菌が体内に入らないようバリア機能を有していますが、これが破綻した状態であり、感染症を引き起こすリスクが懸念されます。速やかに洗浄や汚染の強い組織の切除(デブリードマン)、骨折部の可及的安定化のため一時的創外固定術(皮膚の外から固定)が必要となります。
骨折だけでなく、皮膚や神経・血管の損傷を合併することもあり、他科と連携をとって治療にあたります。

右下腿開放骨折
右下腿開放骨折
一時的創外固定術後
一時的創外固定術後
髄内釘手術後
髄内釘手術後

重症軟部組織感染症

壊死性筋膜炎やガス壊疽などに代表される感染症の総称で、急速に重症化し致死率はそれぞれ24〜34%、70%以上とされています。
緊急の外科的処置(デブリードマンや切断術)が必要です。

右上肢壊死性筋膜炎
右上肢壊死性筋膜炎